夕焼け空。銭湯にでも行きましょか - ふぁみとりっぷ5号館

【山レポ】
 2018年06月01日 武甲山
 2018年06月08日 陣馬山・景信山・高尾山(奥高尾縦走)
 2018年09月17日 尾瀬沼~尾瀬ヶ原1泊2日(IN大清水、OUT鳩待峠) 
 2019年04月29日 秋葉山・仏果山・経ヶ岳(相州アルプス南部)

【鉄レポ】
 2018年02月05日 JR石勝線夕張支線

 ※博物館・美術館・動物園などはANNEXの目次を見てね

山レポ記事一覧はこちら
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秋葉山1005-1
東京スカイツリーから一番近い、東京スカイツリーより高い山。
どこだかご存知ですか。

ふと興味をもってググってみたのですが、答えが出てきません。
おぉっ、ひょっとしてこれはグーグル先生さえ知らない未開拓領域か?

えぇ。調べてみましたとも。
国土地理院の地形図に名前が載っている山のなかで、東京スカイツリーから一番近い、標高635m以上の山。答えはこちら。

 第1位 小仏城山(標高670.4m)東京スカイツリーから54.00km
 第2位 景信山(標高727.3m)東京スカイツリーから54.21km
 第3位 仏果山(標高747.0m)東京スカイツリーから54.22km
 ※ 距離の測定はmapionのキョリ測を使わせていただきました。

220m以内に3座。むちゃくちゃ僅差ですねぇ。
2位と3位はクリック誤差の範囲。優劣はないといってよいでしょう。
おやおや。第1位と第2位は昨年登ったばかりの山じゃないですか。
なんだ。知らないうちに踏破していたとは

しかーし!

第3位の仏果山を調べているうちに、その近くに見つけてしまったのです。
地形図には名前が載っていないけれど、もっと東京スカイツリーに近い山を!

 隠れ第1位 秋葉山(標高660m)東京スカイツリーから53.81km

ほら、地形図には載ってないけど、このレポートの写真にちゃんと660mって書いてあるでしょ!

 ヤマレコ juneshowさんの山行記録
 shuttle's photo loungeさんの「高取山・仏果山・秋葉山 登頂」

こうなると、居ても立ってもいられません。俄然、秋葉山に登りたくなってきました。
というわけで、2019年4月29日、平成最後の昭和の日(←ヤヤコシイ)。
行ってまいりましたよ秋葉山

蛇足ながら、ヤマケイオンラインの地図では、秋葉山が標高540m地点に記載されているんですよね(2019年5月1日閲覧)。でも、上のお二方のほかにも、いくつも標高660m地点の秋葉山に行かれたレポートがありますから「660m」の方を信用することにしましょう
秋葉山
というわけで、新宿から小田急線で50分。本厚木駅にやってまいりました。
ただいま朝の8時30分過ぎ。今日はこれから秋葉山、仏果山、経ヶ岳とプチ縦走してまいります。

秋葉山の麓の町、半原へ行くには、本厚木駅からバスに乗って30分ちょっとかかります。
半原行のバスは、
  • 国道412号を走る「厚01(野外センター前経由)」
  • 県道54号を走る「厚02(田代経由)」
の2つの系統が交互に出ています。

秋葉山の登山口最寄りの「細野橋」を通るのは「厚01」です。
でも生憎、次のバスは、ちょっと離れた県道を通る8:40発の「厚02」系統。「厚01」は30分待ちです。

先のバスに乗って向こうで歩くか、それとも30分待って歩く距離を減らすか。
ちょっと迷いましたが、先に出る「厚02」に乗って、少し遠くなりますが「愛川橋」バス停から歩くことにします。

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観泉荘 こまや

秋葉山への山歩きのスタート地点近くにあるお宿です。今回私は東京から日帰りしてしまいましたが、前泊して露天風呂でのんびり・・・というのも魅力的ですね♪


晴れた空の下、バスは山へと向かって走ります。
30分も走れば、そこはすっかり山のなか。
秋葉山0922-1
のんびり川遊びでもしていきたくなりますが、寄り道して遅くなり、山のなかで日が暮れたりしたら大変。まっすぐ秋葉山に向かうことにしましょう。

奥に見える青い橋が愛川橋。ここでバスを降ります。
秋葉山へは、橋の右岸の交差点を、橋と反対方向に進むはずなのですが・・・。

あれ?
道、どこ?

民家の裏庭に入るような細い路地はあるのですが、さすがにこれは違うよね、と周辺をうろうろ。
山ん中で迷うならともかく、こんなところで迷うとは、幸先悪いったらありゃしませんね
秋葉山0932-1
で、結局。
最初に見た細道が正解でした

あれ?なんて言ってないで、入って確かめればよかったんですが、なんだか住居不法侵入になりそうな、プライベート感ありありの道だったので躊躇してしまったのでした。
右に行ったり左に行ってみたり、結局10分ぐらい無駄にしたかな
秋葉山0933-1
細道は間もなく急な上り坂に。
先ほど迷って歩き回った集落が、あっという間に眼下に遠ざかります。
秋葉山0935-1
おや、案内碑が。
実はこの道、隠川坂って名のある、古くからある道だったんですね。
かつては山の産物を背負った行商人たちが行き交ったりしたのでしょうか。そんな様子を思い浮かべて改めて見ると、この道にも何やら懐しさを感じるような(ただの裏道でしょ、って思っていたくせに、何をいまさら)。
  • ところでこの道、地理院地図MapionゼンリンいつもNaviMapFanにはちゃんと載っていますが、Google Mapsには記載がなく、ぐるっと1kmほど迂回する道しか出てこないんですね。山道に限らず、車が通れないような細い田舎道にはしばしばそういうことがあるので困ってしまいます。
    志摩国一の宮 伊射波神社に参拝した時もそうでした。ここはGoogle Mapsだけでなく、Mapfan、ゼンリンいつもNaviもNG。道が示されているのは地理院地図とMapionだけでした

    さすがに「登山・ハイキングに出かけるときもGoogle Mapsが頼りです」なんて方はいないでしょうが(遭難しますよ)、里道のお散歩でも迷わされることがありますのでご注意くださいませ
隠川坂を上がると、半原の住宅街です。
鄙びた山里という雰囲気ではなくて、郊外の新興住宅地という感じの街並みです。

昼食の買い出しに、国道沿いのセブンイレブンに入ろうとしたら...。
秋葉山0949-1
ありゃ。
あれは本厚木駅を30分後に出発した、国道412号経由のバスじゃないですか。

愛川橋近辺でうろうろ迷っていたせいもあって、追いつかれてしまったようです。
本厚木駅で慌てて県道経由のバスに乗ってしまいましたが、駅でゆっくり買い物を済ませてから、30分後のバスに乗った方が早かったですね
秋葉山1002-1
菜の花が風に揺れています。
桜も素敵ですが、春の花といえば、私はやっぱり菜の花ですね。
秋葉山1012-1
小さなお社がありました。
手を合わせて、道中の無事を祈ります。

さて、愛川橋でバスを降りてからそろそろ1時間。
いきなり道に迷い、隠川坂を上り、住宅街を抜け、畑の中を進んできましたが、ここまで登山者を導く道標などどこにも見あたりません。

地図を片手に歩いているとはいえ、秋葉山への道はこれでいいのだろうか、いゃそもそも秋葉山は実在するのだろうか?・・・などと心配になってきたところでようやく・・・
秋葉山1015-1
ありました~秋葉山1.3km
ただいま10時15分。ここから秋葉山への登山開始です
秋葉山1016-1
道標からちょっと進むと、閉じられたゲートがあります。
ちょっとドキッとしますが、車が入れないようにしているだけのようです。
徒歩の登山者はゲート脇を通り抜けられますから、気にせず進みましょう。
秋葉山1026-1
林道を10分ほど歩いたところで、ぎゅっと折り返すように登山道が始まります。
道標には「秋葉山 0.7km」。
なんだ、もうすぐそこじゃない

・・・一瞬、気が緩みかけましたが、左手に握りしめた地図によると、ここは標高350m地点。
水平距離700mで、660-350=310mの高度差ですから、結構な急登のようです。
ちょっと深呼吸。さぁ、気合を入れなおして。頑張ってまいりましょう
  • 帰宅してからカシオのkeisan+で計算してみたら、この区間の平均斜度は23.9度でした。
    あくまで「平均」ですからね。いやぁ最後の方キツかったな・・・
秋葉山1035-1
登山道沿いに、たくさん白い花が咲いています。
花の名前を知っていれば、山歩きがもっと楽しくなるんでしょうね。
私には「白い花」としかわかりません。

野草と野鳥は、昔から「詳しくなりたい」と思うだけは思っているのですが、図鑑などを用意して何回チャレンジしても、悔しいですがどうしても頭に入らずに放り出してしまいます。
だから、こういう花を見て、ぱっと名前が出てくる人はそれだけで尊敬してしまいます。どうやって覚えているのでしょう。不思議です・・・
秋葉山1037-1
登山道に入り、いきなりの急坂で息が上がりますが、5分ほど歩いて呼吸が調ってきたところで、ぱっ!と視界が開けて、刈り払われた鉄塔下に出ます。
振り返ると、この展望!
秋葉山1039-1
半原の町から、もうこんなに上がってきたんですね。
遠くに、横浜や東京都心の高層ビルも眺められます。
登り始めたばかりですが、ちょいと小休止してまいりましょう。

ところでこの秋葉山へ登るルート、あちこちにトラップが潜んでおりまして、登山者を迷わせてやろうと手ぐすね引いて待ち構えております(ウソです。そんな悪意はないです…と信じたい)。

要所要所にビニールテープによるマーキングがあるのですが、困ったことにこれがまた赤テープ青テープ紫テープとカラフルに何種類もありまして、それぞれ示す方向が違ったりして。おまけに、登山道よりも地図に載ってない作業道の方が明瞭、なんてところは何か所もありまして・・・
秋葉山1041-2
たとえばこちら。
送電線の鉄塔から少し登ったところにあった分岐点です。

突然ですが、ここでクイズです。
・・・ってもう山行レポじゃなくなってますが、お付き合いくださいませ

秋葉山へは、どう進むのが正解でしょうか?

次の画像が答えなので、スクロールはちょっと待ってね。
上の画像をクリックして、拡大して考えてみてください。

右と左に、明瞭な道がついています。
道標はありません。

なんとなく、右のほうが整備されたきれいな道に見えるので進みたくなりますが。
一方、地理院地図を見ると、送電線のところの二股は左が正しいようにも思えますが。
それでいいんでしょうか

手掛かりは、木の幹に巻かれた赤テープと青テープでしょうか。

・・
・・・
・・・・・・・

はい、それでは、答えはこちら。
秋葉山1041-3
右でも左でもなく、真ん中を進むのが正解なんですね
おいっ(怒)って感じじゃないでしょうか。

予備知識なしに来たら、100%迷いますよね。
実は出かける前日に、偶然↓こんな動画↓を見つけまして。



麓から秋葉山を経て仏果山までの全行程動画。ありがたいですねぇ。
これを見ずに出かけていたら、きっと山の中で路頭に迷っていましたよ。
動画をアップされた相原正貴さんに、心より感謝申し上げます。

私の場合、動画をすべて暗記して出かけた訳ではなくて、動画の中の「青いビニールテープを頼りに進めばよい」というアドバイスだけを心に刻んで、麓から秋葉山までバカの一つ覚え的に(バカは私ね「青テープ!青テープ!」と唱えながら進んだんですね。

だからこそ、さっきの二又(実は三又だった訳だけど)でも、赤テープトラップ(だからトラップじゃないってば)とかに引っかかることもなく、迷わず真ん中の踏み跡へと進むことができたのでした
秋葉山1049-1
ほら、ここも青テープ。
青テープのこと知らなかったら、こんな壊れたゲート、くぐらないで素通りしてましたよ
秋葉山1050-2
林道を横切るところにも青テープ。
青テープをかけてくださった方も、どなたかは存じ上げませんがありがとうございます。
秋葉山1057-1
新緑が目に眩しい季節ですね。
秋の紅葉も素敵ですが、私はやっぱりこの透明感ある新緑が好き。
体の中のリフレッシュメーターがフィトンチッドで満たされていくようです。

え?フィトンチッド
よく知りませんけどね。イメージよ、イメージ
秋葉山1104-1
そんな中、裂けたり折れたりしたままになっている木があちらこちらに見られます。
落雷の直撃を受けたのか、それとも暴風でやられたのでしょうか。
今日はとても穏やかですが、荒れるときはきっと想像を絶する荒れ方なのでしょうね。

それにしても、やはりなかなかの急勾配です。
一歩進むごとに高度を稼げるのはいいのですが、地面に足の裏をぺたっとつけると、角度があるから真っすぐ立っていられないんですよね。
だから自然と、かかとを浮かせて、つま先立ちのまま登る姿勢になります。
いやぁぁしんどいっっ。頂上はまだか
秋葉山1115-1
このあたりが東京スカイツリー(634m)と同じぐらいの高さでしょうか。
木々の向こうに関東平野が広がっています。
あと少し。もう少し。

左側から隣の尾根が寄ってきて、ふっ、と勾配が緩くなったと思ったら、そこには・・・
秋葉山1117-1
目の前に秋葉講の祠と記念碑が。
え?ここ、秋葉山?
祠にご挨拶して、もうほんのちょっと登ったところに・・・
秋葉山1118-1
ありました~!「秋葉山」の銘板。

確かに標高660mと書いてあります。地形図と照らし合わせながら歩いてきましたから、間違いありません
東京スカイツリーから一番近い、東京スカイツリーより高い山。登頂です~

目的達成ではありますが、木々に囲まれて、残念ながら眺望はありませんので、休憩もそこそこに次の仏果山へと向かいます。

・・・で。
いまさらですけどね。
秋葉山って、「山」っていいますけど、山のてっぺんじゃないんですよね。
山の肩というか、踊り場というか。
寺号なんかで、〇〇山っていうけど山じゃないよね、ってのがよくありますが(成田山新勝寺とか)、あんな感じでしょうか。え?違う?

そんなわけで、山からの出発ですが、下り坂ではありません。
地形図であらかじめわかっていたことではありますが、まだ上りかぁ~とため息をつくのであります
秋葉山1121-1
相変わらず、折れた木が倒れかかっていたりして、荒れ気味の登山道ですが、さっきよりは勾配が緩くなりました。
一歩一歩、仏果山から南東に延びる主稜線を目指します。
秋葉山1128-1
おっと、油断していたらまた急勾配。ひぃ~
秋葉山1130-1
あれに見ゆるはゴルゴダの丘の十字架・・・のはずはなくて稜線の道標ですね
もう何だか、道でもなんでもない土の急斜面をよじ登っているだけの感じになってきましたが、とにかく主稜線までたどり着けたようです。ふぅ~
秋葉山1131-1
秋葉山への最初の道標からここまで、ほかに誰ひとり、登山者の姿を見ずに登ってきました。
ゴールデンウィークの真っ最中で、他の山はきっと家族連れなどで賑わっているんでしょうけどね。
秋葉山経由の登山道はほとんど知られていないのでしょう。実に静かな山歩きでした。
まぁ、遭難しても誰も見つけてくれない山域、とも言えますけどね

この先はさすがに、どのガイド本にも紹介されているメインルートですから、登山者の姿も時々は見かけるようになりました。
といっても結局、仏果山山頂を除けば、下山までの間に会ったのは全部で5組ぐらいでしたけどね。
(仏果山山頂だけは、他の登山道から登ってきた家族連れなどで賑やかでした
秋葉山1135-1
主稜線は相州アルプスと呼ばれているそうで。
稜線の向こう側は名前負けしない好展望です。

とはいえ、高さ600~700mの山々に「アルプス」とは、これはまた大胆に名づけましたね。
地元の西山を守る会さんが名づけ親だそうですが、まぁ県内、大磯には最高地点が標高181mの湘南アルプス、鎌倉にはそれよりさらに低い鎌倉アルプスというのもありますから、高さはあまり関係ないのかもしれません
秋葉山1223-2 
ここから仏果山頂まではいわゆる痩せ尾根というやつで、両側スパっ!と崖になって切れ落ちているところを恐る恐る進みます。
写真だとその怖さがなかなか伝わらないですね。いっぱい撮ったんだけどなぁ...。写真って難しいですね

特に西側(登ってきたのと反対側)は、ここで踏み外したりしたら谷底のバス通りまでノンストップで転がっていくんじゃないかと思うぐらいの急斜面。このあたりが「アルプス」たる所以でしょうか。

とはいえ、要所要所に鎖やロープがかけられていますし、技術的に難しいところはありませんので、必要以上に恐れる必要はないです。でも、雨のあととか、風の強い日などは通りたくないですね。幸い今日は風も弱くて、地面も乾いていますから大丈夫。落ち着いて進みましょう
秋葉山1150-1
そろりそろりと痩せ尾根をわたった後は、最後にぐっとひと上り。
11時50分、本日の最高地点(747m)、仏果山に到着です
秋葉山1155-1 
仏果山頂は木立に囲まれていて視界が開けていませんが、高さ13mの展望塔が建っています。
上がればきっと素晴らしい景色が広がっているはずです。

正直、やっと頂上に着いてほっとしたばかりで、ここからさらに標高差13mを登るのは億劫な気がしないでもないのですが、ここまで来て景色を見ずに帰ってはきっと後悔するでしょう。
よっこらせっ、と重い足を一段いちだん持ち上げて、展望塔のてっぺんへと向かいます。
そこには・・・
秋葉山1152-1
期待に違わぬ、360度の大展望!
あぁ、やっぱり上がってきてよかった。

西側には、眼下の宮ヶ瀬湖越しに、丹沢の稜線が遠く続いています。
秋葉山1152-3
そして東側には、どこまでも広がる関東平野。
東京スカイツリーからここまで、ここより高い山がひとつもないことが改めて実感できます。

展望塔の上にレジャーシートをひろげて昼食にすればさぞ気持ち良いでしょうが、次々に人が登ってきますし、ここを占領していてはマナー違反ですね。早々に地上へ降りて、先ほど半原のセブンイレブンで買ったおにぎりを頬張っていたらちょうどお昼12時になりました。うん。まずまず計画どおり

さて、お腹も満たされたし、先へ進みましょう。

経ヶ岳へは、今来た道を、先ほど主稜線に出たところまで戻って、そのまま直進します。
ということは、またあの痩せ尾根ですね。うひゃ~
秋葉山1229-1
このあたりが修験道の霊場だったというのも、怖い思いをした後に読むと納得です。

秋葉山への分岐を過ぎると、崖上の怖い痩せ尾根渡りはほぼ終わり、しばらくの間は尾根上、ゆるやかに高度を下げる道になります。
自然と足が速くなりますが、調子に乗ると膝に来ますからね。時間は十分ありますし、スピードを出しすぎないように。先ほどとは別の意味で気をつけて進みましょう。
秋葉山1235-3
振り返ると「この先道幅狭し 注意」の看板が
こちらから登る方、狭いだけじゃなくて高いですからね。
この看板見たら「ここからだなっ」と気合入れなおしてくださいね
秋葉山1237-1
快適な緩斜面も長くは続かず、間もなく鹿よけ柵に沿った急な下りになります。
歩きやすいところを選んでジグザグに下っていると、勢いでついつい柵に寄ってしまったりするのですが、柵には錆びたバラ線が張ってありますから、突っ込んでしまっては大変。接触したりしないように気をつけて進みます(気をつけることが多いなぁ)。
秋葉山1248-1
12時48分、革籠石山に到着。
さっき仏果山でゆっくり休んで、まだ疲れていませんからね。
展望もあまりありませんし、ノンストップで先へ進みます
秋葉山1255-1
革籠石山からは、木段の道を一気に下ります。
地図で見ると標高差40mぐらいですが、歩きづらい分、もっと長く感じます。
木段って苦手なんですよね。

ここもそうですが、この手の木段、「関東ふれあいの道」に指定されているところに多いですよね。
設置当初は良かれと思って整備されたんでしょうけど、今では段々ごとの上側の土砂がすっかり流出してしまって、浮いた一本一本がハードルのように立ちふさがるような状態。まったく、歩きづらいったらもう...
いちいち足を高く上げてハードルを越え、下の段にドン!って着地するのをひたすら繰り返すことになるので、あっという間に膝がガクガクになってきます。

それでもまぁ、これを上ること考えたら、下りで良かったですけどね
秋葉山1307-1
13時7分、土山峠分岐に到着。
ベンチで小休止して先へ進みます。
秋葉山1315-1
尾根筋の道はずっと林の中ですが、ときどき視界が開けて眺望が楽しめます。
ただ、雲がちょっと厚くなってきたようです。先を急ぎましょう。
秋葉山1321-1
13時21分、リッチランド分岐を通過。

なにその成金っぽい名前?と思ってしまいましたが、リッチランドはコテージやバンガローもあるキャンプ施設だそうです。坂尻バス停から徒歩20分、露天風呂もあるそうですから、早朝からの山歩きの基地としても使えそうですね

ここからは半原越(峠)に向けて、またしても一気の下りです。
標高差68m。経ヶ岳に向けて登らなきゃいけないはずなのに…あぁモッタイナイ
秋葉山1329-1
下って下って、半原越まで降りてきました。
半原越は、養蚕が盛んだった煤ヶ谷村と、製糸業で栄えた半原とを結んだ峠道だそうですが、今はもう産業を支える道路としての役割は終えているようです。この日はここを越える車の姿は見あたらず、ツーリングで訪れるバイクのエンジン音だけが谷間に響き渡っていました。

さぁ、下ってしまった以上、仕方ありません。
半原越から経ヶ岳へは、標高差145mの登り返しです。
頑張ってまいりましょう
秋葉山1336-1
ここの木段はまだ整備されてから日が浅いのか、土が流出しているようなこともなく、比較的歩きやすいですね。
ただ、先ほどから左膝を曲げ伸ばしするたびに、パキンパキンと関節が鳴るような音がしはじめて、とっても気になるのですが、痛みがあるわけではないので先へ進みます。
秋葉山1346-1
半原越からしばらくは展望のない急坂が続きますが、15分ほど登ったところで大山方面の視界が開けます。
うわぁ...随分と雲行きが怪しくなってきましたね。奥の方は降り始めてるんじゃないでしょうか。
秋葉山1349-2
さて、経ヶ岳も近づいてきたはず。ここからが最後の登りしょう。
いま見えている、こんもりとしたあの高みがきっと頂上ですね。
目標が見えれば、木段もつらくない...ぞ...ん~やっぱりキビシイなぁ

1,2,3,4・・・124,125,126!

木段は126段でおしまい。でも、まだ急坂が続くぞ。
右足、左足。右足、左足!
勾配が緩くなって、やった~!頂上に到ちゃ・・・

あ、あれ?
秋葉山1355-1 
どうみても頂上じゃないよね。
何ですかこれ・・・
秋葉山1355-2
経ヶ岳の名前のもとになった、弘法大師が経文を納めた岩だそうです。
弘法大師はともかく、トウモロコシ伝説の方は妙な言い伝えですなぁ
ま、伝承にツッコんでも仕方ないですね。素直に受けとめましょう

岩の裏側に回ると、経文が納められたと伝えられる穴が開いていまして…。
秋葉山1356-1
だれが置いたか、やけにかわいい仏様が鎮座なさっておりました
秋葉山1356-2
ここまでの道中の無事を、心より感謝申し上げます。
この先も、帰宅するまで安全に、そして雨が降りませんように
秋葉山1357-2
さあ、今度こそ。
見えているあそこが頂上で間違いないですね
秋葉山1400-1
14時ちょうど。経ヶ岳に到着です。

ところで。
覚えてますか?今回の山行の趣旨。
振り返ってみましょう。

「東京スカイツリーから一番近い、東京スカイツリーより高い山に登る」

でした。

 第3位 仏果山(標高747.0m)東京スカイツリーから54.22km
 隠れ第1位 秋葉山(標高660m)東京スカイツリーから53.81km

この2座は、ここまで登ってきましたね。
実はこの経ヶ岳も「ちょっとゲタ履かせれば、スカイツリーより高い山」

 おまけの第1位 経ヶ岳+私の身長=計634.6m 東京スカイツリーから53.40km

東京スカイツリーの建っているところの標高はぴったりゼロメートルじゃないでしょ、とか野暮なツッコミはなしよ

というわけで、腕を伸ばして地上2mぐらい(標高でいうと約635m)のところから撮った写真がこちらです
秋葉山1415-1
かなたに見えるのは、ランドマークタワーを筆頭とした、みなとみらいの高層ビル群ですね。
残念ながら東京スカイツリーの方向は木々が邪魔して撮れませんが、正真正銘の
「東京スカイツリーから一番近い、東京スカイツリーより高いところからの眺望」
こちらで認定とさせてくださいませ

目的を果たせば、あとは雨雲と競争です。
とっとと下山しましょう

半原越からは木段の急登が続きましたが、それと対照的に、経ヶ岳頂上からの下山道は北東へ延びる尾根筋をゆるゆると降りていきます。なかなか高度が下がらないので若干イライラ感が募ります。

15分ほど歩いたところで尾根から外れ、急斜面をジグザグに下ります。
うぅ、膝が笑ってきた。下界はまだか
秋葉山1446-1
14時46分。だいぶ標高が下がってきました。
最後の展望所です。ベンチもありますので、ちょっと休憩してまいりましょう。

おっと。
東京スカイツリーが見えるじゃないですか

秋葉山1447-1
ということは、東京スカイツリーからこちらも見えるってことですね。
今度あっちに上る機会があれば、地図を持っていってよーく見比べてみよう
秋葉山1501-1
山頂から1時間。谷底まで降りてきました。
さっきまでパキンパキンいっていた左膝も、なんとか保ってくれたようです

埋まった砂防ダムの上を対岸に渡ります。
今日は枯れているからいいけれど、水が出たときは難儀しそうです。
大雨のあとは、このルートは避けた方が無難ですね

ところで、砂防ダムはもともと土砂が流れてきやすいところに造るものですから、何十年かすれば埋まってしまって、このようにもはや砂防の意味を成していないダムもしばしば見かけますよね。
いや、むしろそういう埋まったダムの方が多いかも。

でも、最近の砂防ダムは進化しているんですね。
すぐ下流にあった次の砂防ダムがこちら。
秋葉山1506-1
秘密のダンジョンに通じる魔法の扉のような、大胆かつ斬新なデザイン。
呪文を唱えるとゴゴゴゴって左右に開く...訳じゃないですよね


スリットダムっていうそうですが、堰堤に底まで隙間を入れて、普段は水や土砂を溜めずに流してしまうんですね。
だから、不必要に土砂を積もらせてしまうことはないけれど、いざというときは大きな岩や流木をがしっと受け止める。気は優しくて力持ち、ってドカベンの主題歌がピッタリです(古っ

ところで、丹沢エリアではヤマビルの被害が増えているそうで、この先の登山口には、ヒルの忌避剤スプレーも設置されていました。うっかり川筋まで降りて写真を撮ってしまいましたが、じめじめした場所に長居するのは避けましょうね
秋葉山1518-1
このあとは、川沿いの平坦な道を1kmちょっと歩けば、朝のバスで通った国道に出ます。
ここまで来れば、ゴールの半僧坊前バス停まであとわずかです。
秋葉山1525-1
15時23分、なんとか雨雲に追いつかれずにゴールに着くことができました。
時刻表を見たら、30分に1本のバスが3分前に出たばかりではないですかっっ
あちゃ~、と思ったら、先客のハイカーの方が「まだ来てないですよ」と教えてくれました。

ほどなく本厚木行きのバスが到着。遅れてきてくれたおかげで助かりました

ところが車内、立つ場所を確保するのもひと苦労の混雑ぶりです。
ただ立っているだけならいいのですが、ザックとストックが周りの人の邪魔にならないように片腕に抱えて、それに合わせて足も狭いスペースで踏ん張って、不自然な姿勢のまま本厚木駅まで35分。くたびれた足にはちょっとツライ・・・

秋葉山から経ヶ岳へと歩いている間は、ほとんど人の姿を見ることもなかったのにね。
どうやら宮ヶ瀬ダムの14時の観光放流を見物して、帰ってくる人たちのピークの時間帯に当たってしまったようです。神奈中バスさん、この時間帯は増発してくれないかな~

昨秋の尾瀬以来、8か月ぶりの山歩きで、足が少々鈍り気味でしたが、目的も達して、無事歩きとおすことができました。1000mもない低山歩きでしたが、充実感たっぷりです

もし「東京スカイツリーに一番近い、東京スカイツリーより高い山」に私も登ってみたい、と思われた方がいらっしゃいましたら、このブログだけでなく、ご紹介した動画や山行記録も参考にしていただき、山の様子を把握してからお出かけくださいませ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました
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一夜明けて2018年9月18日(火)、尾瀬沼ヒュッテの朝です。
1日目(大清水→尾瀬沼)からの続きです。
まだ読んでいない方は、1日目のレポートを読んでから戻ってきてくださいませ

一応、もういちど地図貼っときますね。
昨日はピンクの道を歩いて、今日これから歩くのはオレンジの道です。
改めて見ると、ホント、まだ全然歩いてないなぁ...
尾瀬
山小屋の朝は早いですね。
6時前に目が覚めて、周辺を散歩しましたが、もうこの時間から次々に山男・山ガールたちが出発していきます。

私も6時30分に朝食をいただいて、早々に出発です。
今日は尾瀬ヶ原を縦断して鳩待峠へ、18kmの道程です。
険しい道はないはずですが、帰りも戸倉から東京への高速バスを予約してあって、鳩待峠を14:30に出るバスに乗らなければ間に合いませんから、そうそうゆっくりしていられませんね。
昨日ゆっくり休んだ分、今日は歩くぞ~
尾瀬0918_0722-01
青空ものぞいていますが、燧ヶ岳は相変わらずです。
あの雲の中にあるはずなんですけどね
まずは尾瀬沼の北岸を、西の沼尻へと向かいます。
尾瀬0918_0729-01
大江湿原は、今朝も静かです。

やがて、道は林の中の上り坂になります。
湖畔の水際を進むのだろうと想像していたのですが、水辺に出るところはほとんどありません。
昨日の雨で木道がまだ濡れているところもあるので、滑らないように気を遣いながら先を急ぎます。
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少し進むと、鹿よけのゲートが現れました。
食害を防ぐために、大江湿原をぐるりとフェンスで囲んでいるんだとか。
しかも(シカだけに?)毎年秋に全部撤去して、雪解けの頃にまた設置しなおすんだって。
気の遠くなりそうな作業ですね
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なかなかオソロシイ注意書き。
足を踏み外したとたんにバチン!とか来ないでしょうね。
「湿原保護のため、木道以外は歩かないでください」というのはよく見ますが、いやぁ、こちらの方が絶対効果が高そうですね。ウソでもいいから、他のところもこういう書き方をした方がいいかもしれませんね
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昨日の三平峠越えと違って、木道の状態は悪くありませんが、ときどき桁が壊れて落ち込んでしまっているところがあります。気をつけて通りましょう。
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沼尻までの道は、水際まで出られるところはありませんが、林越しに湖面を楽しみながら歩くことができてとても爽やかです。
でも、木道は結構な高さのあるところも多いので、踏み外したら大変。
黙々と、足元を見ながら進みます。
尾瀬0918_0802-01
山小屋を出てから30分以上が経ちましたが、すれ違う人も、追い越す人も、追い越される人もまだ1人もいません。
静かなこの絶景を、まさに独り占めです
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今さらですが、尾瀬沼って広いですね~
すぐ近くに広大な尾瀬ヶ原と、圧倒的な存在感の燧ヶ岳があるせいか、尾瀬沼の方は山間のほんの小さな水面のような誤った想像をしてしまっていたのですが、いやいや失礼いたしました

尾瀬0918_0807-02
8時7分、沼尻平の、ナデッ窪登山道の分岐に到着。
本当は昨日、ここから燧ヶ岳に登るつもりだったんですけどね。
随分と楽をしてしまいました

燧ヶ岳は、相変わらず厚い雲の中です。
どこかで頂上をひと目でも見たいものですが。今日も無理かな~
尾瀬0918_0814-01
このあたりには、池塘を巡る遊歩道が整備されています。
折角ですから、ちょっと寄り道していきましょう。
晴れれば、水面に山が映って絶景なんでしょうけどね~

池塘の向こうに見える沼尻休憩所からは、談笑している声が聞こえてきます。
でかい声だな~
こんなに離れているのに、よーく聞こえてますぞ

そういえば、今日、尾瀬沼ヒュッテを出て以来、人の声を聞くのは初めてですね。
何やら楽しそうですが、まだ疲れてもいませんし、人恋しいという訳でもありませんので、スルーして尾瀬ヶ原へ向かいます
尾瀬0918_0823-01
しばらくは、尾瀬沼から流れ出す沼尻川に沿って進みます。
このあたりではまだほんの小さな流れですが、この川が尾瀬全域の水を集めて只見川になり、会津の山間を東へ西へと蛇行し、やがて大河・阿賀野川となって日本海へ注ぎます。

このあたりの水が海に届くまで、どれぐらいかかるのでしょうね。笹船でも作って確かめてみたくなりますが、川沿いにずっと道がある訳でもなし、途中にダムもあるし、とても付き合っていられませんな
どこぞのテレビ局さんででも、やってみてくれませんかね
尾瀬0918_0836-01
尾瀬ヶ原は尾瀬沼の下流ですから、楽々ゆる~い下り坂だよねっ
と思ったら、結構な登りじゃないのよ、何ですかこれっ

...ウソですよん、地図見て最初からわかってたよん

途中の白砂峠への上り坂です。
白砂峠なんて名前ですけど、白砂なんてどこにあるんでしょうね。
石がごろごろ、ぬかるみの歩きづらい道です。

わざわざ川から離れて峠越えしなくても、川沿いに道をつければいいじゃないの、って文句の一つもつけたくなります。道を拓いた人の苦労も知らないで何言ってんだか
尾瀬0918_0838-01
白砂峠まで、標高差は30mほど。
登ったと思ったら、すぐに下りです。
ぐらぐらと動く石も多いので、気をつけて進みます。

実際、なんでこっちに道をつけたんでしょうね。
地形図を見ても、そんな最短経路にこだわる場所には見えないのですが。
...って、さすがにしつこいのでやめますね
尾瀬0918_0840-01
おっと。
尾瀬0918_0841-01
確かに、いまにも倒れそうです。
気をつけて通り過ぎましょう。

白砂峠から先は、沼尻川とは少し離れて、川面から標高差40mほどの斜面に道がつけられています。
鬱蒼とした、じめじめと湿度の高い道です。
木道がつけられている区間もありますが、日が当たらないせいか、何となくぬるぬるして、かえって歩きづらい道です。

そのうえ、たびたび現れるぬかるみで靴裏の溝に泥が入り込んでしまい、ちょっと気を抜くと足元がずるっ、ときてヒヤヒヤします。
滑らないように滑らないように...と注意を払いつつ進みますが、だんだん慣れてきて気が緩んだところで、踏み出した足が思いっきり前滑りして

 すってーーーーーん!

と仰向けにひっくり返ってしまいました。

背中のザックがクッションになって怪我なく済みましたが、それでも一瞬、衝撃で息が止まりましたよ。ザックが無かったら頭を打っていましたね。いやぁ、マイッタ。
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山の斜面にシカさん発見。
50mぐらい離れていましたが、警戒しているのでしょう、こちらが見えなくなるまで身じろぎ一つせずじっとこちらを見つめていました。
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9時15分、沢にかかる橋をわたります。
橋の上も滑るんですよね。しかも傾いているし

そろりそろりと橋を渡って、安心して振り返って写真を撮って。
よし、行くぞ!と足を速めたら、1分も行かないところでツルッ!
「やっちまった~」と思ったときには時すでに遅し。
気がつけば木道の幅いっぱいに大の字で、ひっくり返って空を見上げている私。うーん、完っ全に油断してたなぁ

ふたたび背中のクッションに救われ、我ながら怪我がなくてなによりでした。
ザックは偉大なり。皆さんもお気を付けくださいね

手提げとか肩掛けカバンとか、びっくりするような軽装で尾瀬に来ている方も何人か見かけました。そりゃまぁ「何もなければ」軽装でも簡単に歩きとおせてしまうエリアではあるんですが、「何かあったら」アウトですよ。ホント、危ないですからやめましょうね。
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燧ヶ岳から下りてくる見晴新道と合流。
最初にプランをたてたときは、この道を使うことも考えたのですが、調べてみると相当なぬかるみらしいですね。昨日みたいな雨のあとでは厳しかったでしょう。
まぁ結局登らなかったんだけど、結果オーライかな
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10時6分、尾瀬ヶ原の東端、見晴地区に到着です。
見晴という地名ではありますが、裏山から集落に下りてきた感じで、まだ視界は開けません。

この見晴地区には山小屋が6軒、他にも休憩所や倉庫などが立ち並び、ちょっとした村落のようです。
どの建物も木造板張り、村内を巡るのは板敷きか土の道。今どきの日本にはどこにも無い、一種独特な雰囲気です。
当然、自動車など走っていません...と思ったら、トラクター(?)がエンジン音を響かせて横切っていきました。あれあれ、後ろの荷車に子供が乗ってるよ。宿泊客の子供が乗せてもらったのか、それとも子供のいる一家で経営している山小屋があるのかな。

家並みを抜けると、目の前に広々とした尾瀬ヶ原が。
「見晴」の名にふさわしい風景が広がります。
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時間的にまだ余裕があるので、不思議な名前が気になる「ヨッピ吊り橋」に寄り道しましょう。
尾瀬ヶ原縦断ルートから外れて右に曲がります。
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真っすぐ進めば三条の滝です。
往復3時間弱。立ち寄りたいところですが、バスの時間を考えるとちょっと厳しいですね。
後ろ髪をひかれつつ(って私短髪なんですけど)左の東電小屋方向に進みます。
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まもなく下り坂になり、10時27分、只見川にかかる東電尾瀬橋を渡ります。
尾瀬沼・尾瀬ヶ原の全域から集められた水が、ここから日本海へと流れ出ていきます。
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先ほどの沼尻川とは水量が違いますね。
この水が一気に流れ落ちる三条の滝、さぞや豪快なのでしょうね。
今回見られないのは何とも残念。是非また来なければ
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10時37分、東電小屋前を通過。
看板の横に、歩荷(ぼっか)さんの背負子(しょいこ)が立てかけられていました。
これを背負って鳩待峠から歩いてくるんですよね。数十kgから、重いときには100kgを超えることもあるんだとか。

この先、何人かの歩荷さんとすれ違いましたが、ほんと、その姿には圧倒されますよね。
私たちが安心して尾瀬を歩き、山小屋を使えるのも、歩荷さんたちの日々の活躍があればこそです。もう、感謝しかありませんね
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感謝といえば、尾瀬一帯に張り巡らされたこの木道というのも、整備に尽力されている方々がいらっしゃるからこそ、私たちは尾瀬を楽しむことができるのですよね。

昨日は傷んだ木道がしんどくて、つい愚痴を言ってしまいましたが、雨ざらしでしかも湿地の上に設置される木道は長くて10年ぐらいしかもたないのだそうです。
つまり、この広い尾瀬エリアに張りめぐらされた木道は、10年ごとに(いや、もっと短い期間かな)全て敷き換えられているということ。湿原の中で重機など使えるわけがないですから、全て人の手で一本ずつ撤去し、基礎を打ちなおして、改めて新しい路材を渡していく。実際に見たわけではありませんが、気の遠くなる作業ですよね。
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真新しいこちらの木道には、2018年の焼印が押されています。
焼印がくっきりと見えるのは最近2~3年のもので、年数の経った焼印は擦れて判読しづらくなっているものも多いですが、よく見ると2009年、2010年といった印の押されたものもあります。このあたりはこの先数年で敷き換えられるのでしょう。
皆さんも次に尾瀬に行かれる際には、木道の焼印にも注目してください。

昨日行った尾瀬沼ビジターセンターに、木道がまだ整備されていなかった頃の写真が展示されていました。そこにはずぶずぶとひざ下まで埋まって悪戦苦闘するハイカーの姿が写っていました。当時は気軽に尾瀬に入ることはできなかったでしょうし、それでも入ってくる人たちに踏み荒らされて、湿原は酷いダメージを受けたことでしょう。

私はまだ行ったことがありませんが、尾瀬ヶ原の南側、山の上にはかつて天上の楽園と呼ばれながら徹底的に踏み荒らされたという「アヤメ平」があります。子供の頃(40年前ね)に読んだ本では「元の姿に戻すには50年、いや100年かかる」などと書かれていた記憶がありますが、行かれた方の動画レポートなどを見ると、まだ途上ではあるものの、だいぶ回復してきたようですね。

壊すのは簡単。復旧には何十年。
月並みですが、尾瀬を守るには、木道を大切にすることから。しっかり心がけていきたいですね。
今度は是非、アヤメ平にも行ってみよう
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10時50分、ヨッピ川に架かるヨッピ吊り橋に到着です。

尾瀬保護財団のwebサイトによると、ヨッピはアイヌ語由来で「呼び」「別れ」「集まる」といった意味があるとも言われているのだとか。
この川をずっと下っていけば、7~8世紀頃に大和朝廷の北の最前線であった渟足柵がありますから、尾瀬にアイヌ語由来の地名が残るのも不思議ではないのかもしれませんね。
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ゆらゆら揺れるヨッピ橋を渡ると、牛首方面と竜宮方面の分岐点です。
鳩待峠へは牛首方面が最短ルートですが、まだ時間に余裕がありますので、ちょっと名前が気になる「竜宮」に寄ってまいりましょう。
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池塘に映る山の姿。
これで青空だったら、さぞ美しいでしょうね~
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見渡す限り枯草が風に揺れるなか、どういう訳かポツン、ポツンと二本だけ高い木が。
白樺でしょうか。すっかり葉も落ちて寂しそうですが、隣同士、励まし合っているようにも見えますね。
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木道の真ん中にベンチが設置されています。
人通りが多ければ、座っていると「通行の邪魔!」とか言われそうですが、今日は見てのとおり、周辺に人っ子ひとり見あたりません。
人気の尾瀬とはいえ、シーズンオフの平日なんてこんなもんですね。

尾瀬沼ヒュッテからここまで4時間歩き詰めで、さすがにくたびれてきました。遠慮なく休憩してまいりましょう
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11時17分、尾瀬ヶ原の真ん中にある竜宮十字路に到着。
右手に見えるのは龍宮小屋です。尾瀬ヶ原の真ん中の山小屋で朝を迎えるってのもいいですね。今度はここを拠点にしてみようかな
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朝からずっと、人の姿をほとんど見ることなく歩いてきましたが、ここから山ノ鼻までは尾瀬散策のメインルートで、急に賑やかになりました。
歩く速さも人それぞれですから、譲り合ってまいりましょう
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見えそうで見えない燧ヶ岳山頂
今日はこのままかなぁ

さて、「竜宮」は竜宮十字路から鳩待峠方面にちょっと進んだところにありました

上流側の流れが地下に吸い込まれて、木道を挟んで下流側に再び湧き出る伏流水を、誰が名付けたか竜宮現象と呼んでいるんだって。

いつ頃からそう呼ばれているんでしょうね。
グーグル先生に聞いてみても「1947年に龍宮小屋が開設されたときには、すでに竜宮と呼ばれていた」というところまでしかわかりませんでした。
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ここから流れが地下に潜って、
尾瀬0918_1132-03
ここから湧き出してくる。
写真だとよくわからないでしょうが、そういうことです。

そして、水が潜った地下世界には竜宮がある、と。
竜宮といえば浦島太郎ですが、タイやヒラメの舞い踊りはさすがにここには似合いませんね。ここの竜宮には乙姫様じゃなくて、その名の通り、いかつい龍の家族が棲んでいるのかもしれません

でもって、我々は竜宮の龍たちの頭上をドカドカと歩いていると
怒らせたりしないように、畏敬をもって静かに歩きましょうね
尾瀬0918_1144-01
ちよっとわき道にそれて、湿原を流れる下ノ大堀川沿いにやってまいりました。
このあたりはミズバショウの群生地で、初夏であれば尾瀬のお約束的写真が撮れるはずなのですが、今はもうすっかり秋ですから。一面の枯野原もいいけれど、やっぱり次は花の頃に来てみたいな
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木道のすぐ脇で、カモが一心に水の中の餌をついばんでいました。
こんなに近くでカメラを構えても逃げないんですね。

何故だか知らないけど、この尾瀬ヶ原にいれる限り、人間たちは追いかけ回したり鉄砲で撃ってきたりしないよね、って。鴨さんにそう見切られているのかもしれません
尾瀬0918_1231-02逆さ燧
そろそろ尾瀬ヶ原縦断のゴールが近づいてきましたが、結局、燧ヶ岳が雲から出てくることはありませんでした。
ここは逆さ燧で有名なスポットらしいですよ。うーん残念
尾瀬0918_1317-01
12時50分、尾瀬ヶ原の西の拠点、山の鼻地区に到着です。
東の見晴地区を出てから2時間45分。ちょっと回り道をしたとはいえ、山奥でこれだけ長いこと歩いても平らな道が続くのですから、尾瀬ヶ原の広さに改めてびっくりです。
尾瀬0918_1256-01
ここから鳩待峠までは、ヤマケイオンラインのコースタイムではちょうど1時間。
尾瀬沼ヒュッテからここまで、コースタイムより若干早めに歩いてこられましたから、鳩待峠14時30分のバスに乗るにはまだ少し余裕がありますね。
山の鼻ビジターセンターで20分ほど、休憩を兼ねて尾瀬のおさらい勉強をさせていただきました。

オコジョやヤマネを目撃した人には、証明書がいただけるんだって。
クマには会わなくてよかったけれど、オコジョには会いたかったな~
尾瀬0918_1339-02
山の鼻から鳩待峠へは、ヨッピ川の上流部にあたる川上川沿いを登っていきます。
ずっと見晴らしの良い原っぱを歩いてきたのに、急に薄暗い谷間の道(というほど暗くはないんですが、今までに比べるとね...)になったので、あぁ尾瀬歩きももう終わりなんだなぁとちょっぴり感傷的になります。
尾瀬0918_1342-01
木道が斜めになっているところには、ゴムの滑り止めが敷かれています。
見た目はいかにも人工物っぽくて、あんまりイメージ的に良くないかもしれませんが、これ、最強です。全っ然、滑らない!

是非、私がさっき2回もすっ転んだ沼尻~見晴の木道にも取り付けてほしいですね

滑り止めは下り方向(右側通行の右側)だけに敷かれていますが、今日は人通りが少ないので、遠慮なく左側を歩かせていただきました。快適、快適!

山の鼻からの道は、9割方が緩い登りで、最後の1割でぐぐっと木段を急登します。
そして14時6分、終点の鳩待峠に到着です
尾瀬0918_1406-01
あぁ~よく歩いた。終わっちゃったよ~。
ちょっと寂しいような、残念なような。それでいてほっとしたような

予定を変更して燧ヶ岳に登らなかった分、予定よりもずっと短い山歩きだったのですが、それでもこの充実感はさすが尾瀬ですね。
尾瀬0918_1409-01
ここからは戸倉に出て、来たときと同じ高速バスに乗って東京に帰ります。
戸倉への「定期シャトルバス」は14:30発なので、少し時間があるな・・・と思っていたら、ずらりと並ぶワゴンタクシーに案内されました。
料金はバスと同じで、切符を買った順に乗り込み、定員いっぱいになったら出発するシステムです。待たずに乗れたのはありがたいですね。
でも、これだと定期シャトルバスを走らせる意味がないような気がしますけど。バス会社さん大丈夫なんですかね

で、私が乗って、ちょうど定員いっぱい。すぐ発車。ラッキー
狭い車内、汗だくで乗り込んで周りの方にちょっと申し訳ないな~と思わないでもありませんが、考えてみたら全員同じ状況なわけで。気にすることはありませんわな

車は峠からの道をひたすらうねうねと下っていきます。車酔いしやすい方にはちょっと厳しいんじゃないかな。深い緑の中、人家などどこにも見当たりません。この完全舗装の車道だけがなんだか不協和音・・・いやいや、この道のおかげで楽に帰れるのですから、悪く言うのは止しましょうね。

30分ほど走って、ようやく戸倉の町に降りてきました。
予約している1本前のバスがちょうど出発するところで、まるまる1時間待ちです。
最後に、すぐ近くの尾瀬ネイチャーセンターで復習して帰るか、と思って立ち寄ったら、火曜定休なんですね。残念

新宿行きの高速バス「尾瀬号」は、発車時刻の5分ほど前に入ってきました。
来るときのバスにも増してガラガラで、いちおう座席指定ではあるのですが、運転手さんが「好きな場所に座っていいですよ」と。ありがたく2席分占拠してしまいます。ゆるりと帰りましょう

戸倉発車の時点で乗客は6人。その後も、途中のバス停から乗ってきたのは1人だけだったかな。いくら平日だとはいえ、大丈夫なんでしょうかね。あまりに空いているので心配になってしまいます。
あちこちの山で登山口までの公共交通がやせ細る中で、尾瀬号のように東京と山とを直接結んでくれるバスは貴重なので頑張ってほしいのですが。

沼田インターから関越道に乗り、もうちょっと余韻に浸っていたいという私のワガママな思いを酌むこともなく、バスは見慣れた都会へと飛ばしていきます。いえいえ、ありがたいんですよ。
途中、鶴ヶ島あたりでちょっとだけ渋滞しましたが、ほぼ定刻どおり、19時過ぎに練馬駅に帰ってきてしまいました。あぁ、日常だよぉ~

明日からは普通に仕事。今日は早く寝なくちゃね。
次はどこに行こうかな。

最後までお読みいただきありがとうございました

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